学校司書@非常勤

とある小学校の図書室に生息する、学校司書。難しいこと語れません。絶滅しかかってます。

課題図書2017 ~高学年用①ぼくたちのリアル~

あと一ヶ月で夏休みが始まる。
毎年夏休み前の貸出では、できるだけ各クラス1時間時間をとってもらい、まとまって借りる時間を作ってもらっている。ありがたや。

特になかなか図書の時間が取れない忙しい高学年。貴重な図書の時間を活用しない手はないので、毎年課題図書とおすすめの本のブックトークをすることにしている。
とりあえず一通り課題図書を読了したので、忘れない内におすすめポイントを書いていこうと思う。

課題図書2017 その①ぼくたちのリアル(高学年用)

ぼくたちのリアル

ぼくたちのリアル

主な登場人物
  • 飛鳥井渡(アスカ) とにかく自分に自信の無い主人公。人気者のリアルに対して常にコンプレックスを感じている。リアルとは家が隣の幼馴染。お父さんはピアノの調律師で、実はピアノが弾けるという特技を持つ。
  • 秋山璃在(リアル) 学年で一番の人気者キャラ。勉強もスポーツも得意でなおかつ性格もいいというクラスのスター的存在。 
  • 川上サジ(サジ) 美少年の転校生。アスカの席の後ろになる。普段は大人しいかと思えばリアルに対しては積極的な場面がある。お父さんがフィンランド人。 
  • 藤間愛莉(子役タレント)リアルのことが好き。本命チョコをあげたが願いが叶わず登校拒否になる。
  • 甲斐なるみ先生(担任) 口数が少ないサバサバした女教師。アスカ達のクラスの担任。アスカは甲斐先生になぜか懐かしさを感じる時がある。
簡単なあらすじ

アスカは5年生の時のクラス替えで家が隣で幼馴染のリアルと同じクラスになる。リアルはスポーツ万能・学業優秀・尚且つ性格もよくて、学年では知らない人がいない
というぐらいの人気者。自分のことを地味キャラと自覚しているアスカは、リアルの存在がまぶしくて仕方がない。
ある日、アスカのクラスにハーフの美少年「サジ」が転校してくる。サジはどうもリアルのことが気に入っている様子。
合唱祭の伴奏決めで、アスカは思いがけずピアノの伴奏をすることになる。指名したのはアスカがピアノが弾けることを知っていたリアルだ。
実はピアノが得意な藤間が登校拒否になっている理由が、リアルに振られたからと知ったサジは心苦しく思っているリアルのためにアスカを連れて藤間の家に向かうが…。

見どころ
  • どこか自分に自信が無くて、人気者の友達に対して引け目を感じている主人公アスカ

実際に高学年の子達を見ていると、アスカっぽいタイプの子多い。人気者のリアルと地味な自分がなぜ仲がいいのか、と周りに思われることにすら引け目を感じていたりして、正直イライラする部分もある。でも実は放送委員のナレーションが得意だったり、調律師のお父さんの影響でピアノが弾けたりするし、目立たないながらも縁の下の力持ち的存在だったりするのだ。なんでもできるリアルに対して素直に「あいつは太陽みたいな存在」と素直に認められるなんてなかなかできないと思う。

  • 人気者のリアルにも実はせつない過去が

学年一の人気者であり、性格もよくて、顔もかっこよくて、いつもたくさんの人の中心にいる存在のリアル。そんな彼にも実は深い心の傷が隠されていて、過去の悲しい出来事からなかなか立ち直れないでいる。辛い経験をしているからこそ、誰に対してもまっすぐに接することができるのかもしれない。人気者ゆえになかなか弱音を吐けない部分もあるよなぁと思う。

  • リアルのことが気になるサジ

ネタバレになるので詳しくは書けないけれど、リアルの為に大人しいサジが、予想に反して積極的に行動していく理由が最後に明らかになる。えー!そう来たか。という感じ。

感想

率直な感想として、小5でここまで色々と考えているかなぁと感じる部分はあるが、少年3人がみんなそれぞれいいヤツで、気がついたら最後までサクサクと読めてしまった。ただ軽いタッチで書いてはいるけれど、実は隠されたテーマはとても重かったりする。お互いがお互いの存在を認め合い、それぞれが自分はそれでいいんだ。と納得することができる関係なんて羨ましい。挿絵が佐藤真紀子さんで「バッテリー」や「先生しゅくだいわすれました」の挿絵も描いている人。物語の雰囲気にあっていて、それも良かった。(ちなみに「先生しゅくだいわすれました」は図書室で良く借りられる本。題名と表紙の雰囲気って子供にとってはすごく重要だったりする。)これから思春期に差し掛かる、高学年男子に勧めてみようかなと思った一冊である。

ちなみに「先生しゅくだいわすれました」は中学年におすすめの本。

先生、しゅくだいわすれました (単行本図書)

先生、しゅくだいわすれました (単行本図書)

実際によく借りるのは「宿題をよく忘れる子」というオチ付き。


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